火018の革
火018(アイボリー・カーキの2色展開)の表地に使用している牛革について、少し説明させていただきます。
この革はスエード革ではありますが、銀面にキズがあるものを使っています。銀面とは鞣した革の表皮にあたる部分ですが、動物の革ですので、表側にキズがある革もあります。傷が少ない革はそれなりの価格で流通していますが、日本のマーケットの要求は厳しいですので、表皮にキズがある革はその程度によっては流通できない場合も多く、タンナーさんの悩みの種にもなっているのが現状です。
そこで、表皮にキズのある革を有効に活用できないかという相談を受け、この商品にスエード面を表使いして採用させていただきました。
スエード面の毛羽もそろえていただいており、キズ有革で流通できない状態のものだったとは思えない仕上がりになっていると思います。
さらに掌側に使っている銀付き革も、やや表皮にキズのある革をあえて仕入れていますが、裁断パーツが小さいのでキズを避けて裁断するようにしています。
キズがある革はキズのない革に比べると価格がやや安いので、頑丈に作っている火018ではありますが、価格を抑えることができているとも言えます。こういう取り組みをすることで、少しでも日本の皮革産業の役に立ち、同時に消費者の皆様の満足も得られるようになれば、大変うれしく思いいます。
2019/11/13